ゴルフには数多くのマナーが存在します。
それらはたとえばフランス料理のテーブルマナーのように、事前に知っておかなければ実践できません。どんなに気が利く人でも、もともとの性格、単なる気働きだけでこなせるものではないのです。
そのため、まずは知識を蓄えてコースでマナーを意識しながら実践し、実践を繰り返すことで身体になじませていかなければなりません。
あまたあるゴルフのマナー本なかで特にオススメしたいのが、1999年に発行されて以来、多くの日本人ゴルファーに読まれてきた『ピーターたちのゴルフマナー』です。
装丁やタイトルから洋書と連想される人もいるかもしれませんが、こちらは日本でただひとりのゴルフマナー研究家である鈴木康之氏によるゴルフマナーの教科書です。
読みやすい文体で、かつゴルファーとして抑えておきたい心配り(マナー)は漏れなく掲載されています。
いまは初心者でも、いずれは「一緒に回りたい」と思われるゴルファーになるためには欠かせない一冊です。
マナーを覚えるのに、マナー本の読破は確かに有効です。
ですが、まだ一度もコースに出たことがないプレーヤーが分厚いマナー本を覚えるのは至難の業でしょう。
とはいうものの、マナーを知らないと同伴プレーヤーの気分を害するほか、前の組や後続組に迷惑をかける恐れがあります。
日本人アマチュアゴルファーの年間平均ラウンドは12回ほどとされています。月に一回、高いプレーフィーを払ってラウンドしているのに、マナーを知らない人のせいでその一日が台無しになりかねません。
もちろん、一口にマナーといってもその内容は様々です。
「初心者だから出来なくても仕方ないね」
と、大目に見てもらえるミスから、
「いくらなんでもそれは止めてくれ!」
というマナー違反もあります。
そこで今回は、たとえ初心者であっても実践しなければならない最低限のマナーをご紹介します。
最低限のマナーとは、相手の立場になって考えればわかるものがほとんどです。
まずは自分がプレー中に同伴者にしてほしくないことを考えてみましょう。
誰かがアドレスに入るさいに物音をたてるのは言語道断です。
他のプレーヤーが打つ準備を始めたらお喋りは慎みましょう。同様に、足音を立てるのも厳禁です。
簡単にいってしまうと、「喋らない」「動かない」。
これを守ればOKです。
誰もが守っているマナーなので、誰かがプレーに入ったとき、あたりはしんとします。
あまりにも静かなので、ささいな物音もやけに耳につきます。
そのため携帯電話はマナーモードではなく電源を切っておくか、サイレントモードにしておきましょう。また、バッグからクラブを抜いたりしてもいけません。
プレー・ファーストという言葉を聞いたことがありますか?
大体、ゴルフはハーフを2時間30分であがるのがマナーとされています。
「2時間半!? ミスショットが多いからとてもクリアできない!」
確かに、初心者の頃はただでさえ打数が多くなりがちです。
ですのでまずは自分の番がきたらすぐ打つことを心がけましょう。ティーグランドではグローブをはめて、ボール、ティー、クラブを準備して待ちます。素振りは1回きり、と決めておきましょう。
お金を払ってプレーしているのだし、自分のペースでゆっくりやらせて欲しいと思うかもしれません。
ですがコースは自分ひとりのものではありません。少しペースが落ちれば後続組の迷惑になり、大渋滞の原因となってしまいます。
あまりにもひどい場合は、コースを巡回しているスタッフに組全体が注意されてしまいます。
紹介してくれた同伴者の顔を潰してしまいますし、あまり気分の良いものではありませんよね。
バンカーにボールが入った場合に、打った後は、足跡を自分でならさなければなりません。
もちろん同伴者や後続組のためでもありますが、バンカーならしは自分のためでもあります。
もしもならすのを忘れてしまい、気付いた同伴者がならしているのを見かければ、その後自分のショットやパットを気持ちよく打つことができなくなるでしょう。
バンカーならしを忘れないために、バンカーに入る時は「バンカーレーキ」を持ちましょう。
コースからクラブハウスに戻るさいは、スパイクについた芝や泥を綺麗にする必要があります。
ウラブハウスの入口付近には空気圧でスパイクの底を掃除する「エアガン」と呼ばれる機械があります。同伴者の行動を真似していれば問題ないはずです。
その他、ゴルフのマナーはまだまだたくさんあります。
初心者にもっとも多く聞かれるのが、「ゴルフの実力が足りないためにプレーが遅延してしまい、周囲に迷惑をかけないか」という悩みです。
心配することはありません。
打つ前の準備はスマートに、移動はすばやく。
どんなにミスショットを連発したとしても、これらさえ守ってさえいればまず顰蹙を買うことはありません。
逆に、どんなにゴルフが上手くても、他人のラインを踏んだり、コースの補修をやらない人は「もう一緒にまわりたくない人」と思われてしまうでしょう。
ともかく、分からない点があれば積極的に質問して、経験者に助けてもらいましょう。